ポケモン サン・ムーン レビュー(ネタバレなし)。ポケモン自身を超えようとした意欲作

「ポケットモンスター サン」発売直後から多忙でなかなか進められない状況でしたが、ひとまず殿堂入りして一段落しました。楽しかった。

ストーリーの(公式発表以上の)ネタバレなしで、感想とレビュー的なものを書いておきたいと思います。

20161201-01

今作から新しくディレクターとなったゲームフリークの大森さんが、発売前からあちこちで「さまざまな挑戦をした」的なコメントをされていました。確かに、従来のポケモンのフォーマットを採らず、キャラクターやストーリー、バトルシステムなど、あらゆるところにその挑戦が感じられ、新鮮に楽しむことができました。

プロモーション動画「ジブンを超えよう。」の意味

サン・ムーンのプロモーション動画「ジブンを超えよう。」のメッセージは、プレイヤーである子供たちだけでなく、なるほどポケモン自身にも向けられていたんだなあと思うと、しみじみと感慨深いものがありますね。

「競う 相手は 自分自身。ともに 歩むのは ポケモンだよ」ですよ。しびれるねライチさん。

強い「キャラ立ち」とストーリー性の高い本編

今作はストーリーが特に面白かったです。従来のポケモンのストーリーはジム8つの突破から敵組織を適当に壊滅させるところまでお約束の連続でしたが、今作はそもそもジムが廃止されて従来のフォーマットがなくなり、先をきちんと楽しみにしながら進められました。またキャラクターもよく立っていて、みんな記憶に残る個性的な面々でしたね。

こう書くとものすごく当たり前の話をしている気もしますが、実際、これまでのポケモンはわりとシリーズの形を守ることに意識が強くて「ストーリーは二の次」のような感があったのかもしれず、今作は単発の「ふつうのRPG」として面白さを追求する形になっていたと言えるかもしれません。

一方で、ストーリーが面白かったためエンドロールの段階で「やりきった感」があり、その先(バトルツリー攻略や対戦の準備など)に進むモチベーションが若干そがれる感もあります。とはいえ、それがよくないというわけではなく、ちょっと余韻を楽しんでから対戦やる人はやればいいのかもしれません。

表面的には簡易化しつつ、ストーリーの段階で深みを覗けるバトル

今作では、一度見たことがあるポケモンに対しては技を選ぶ段階で効果(タイプ相性からどれが抜群か、いまひとつか)が見えるようになるなど、バトルのシステムが一部簡易化されました。これはどうなんだろう? と思っていましたが「単純に暗記が必要な部分を簡単にする代わりに、バトルのより複雑な楽しみを体験しやすくした」という感じかもしれません。

従来、天候など補助技を活用してくる相手は「バトル検定」的なサブ要素やクリア後の「バトルハウス」的な場所でないと見らませんでした。メインのストーリーを攻略する段階では「タイプ相性を覚えて効果的な技で殴る」ことさえ覚えればよかったと思います。

しかし今作では、ストーリー中の対戦相手が天候や能力上昇など補助技的な要素を使いこなしたり、ダブルバトルで効果的な連携をしてきたりして、ポケモン対戦の奥深い部分を見せつけてきます。対戦に興味を持ち、対戦ゲームとしてのポケモンを楽しむプレイヤーを増やすことにつながるんじゃないかと思います。

ポケモンのデザインの幅も広がった?

今作では事前情報から、ヒロイン枠と思われるリーリエだけでなくマオ、スイレン、体験版の動画に出てくるキャラクターなど、わかりやすく人気が出そうな女の子キャラクターが多かったと思います。またポケモンのデザインでも、ラランテス、アマージョ、オシャマリにアシレーヌなど「女の子」っぽいものが多いなーと思っていました。アブリボン、オドリドリ、カプ・テテフやカプ・レヒレなんかも近いかな。

一方でウルトラビーストはポケモンの枠を超えた怪獣・異形のバケモノ感が強く、このあたりも従来の枠を超えていこうという試みなのかなという感がありますね。Twitterなど見ていると、グッズ関係のイラストを描いているイラストレーターさんがキャラクターやポケモンのデザインに多数参加されているようで、これまでの作品での事情をよく知りませんが、スタッフ的な意味でも従来の枠を超えた試みなのかもしれません。

1本目のポケモンとしても、もちろん楽しめる

このほか、ひでんわざを廃止してのライドポケモン導入、ポケモンを預けるパソコンの操作やボールが取り出すくなったところなど、従来「お約束」として固定されていた使いにくいユーザインターフェースの改善も、いいなと印象に残りました。細かく見て行けばいいところばかりでない気もしますが、とにかく、サン・ムーンは「従来のポケモン」の在り方を大胆に超えようとした意欲作ではないかと思います。

それだけに、過去のポケモンを遊んだことがない人や、赤緑・金銀あたりは知っているけど…という人も始めやすく、毎作遊んでいる人との差もあまり感じずに楽しめるのではないかと思います。過去作を知っているとニヤッとできる感じの要素もちょこちょこ入っていますが。

このサイトの管理人

小林 祐一郎@heartlogic
息子と一緒に始めた「ブラック2・ホワイト2」で初めてポケモンに触れる。対戦を少々嗜み、好きなポケモンはコジョンド。つらい思い出の多い技は「とびひざげり」。休日はポケモンセンター周辺によく出没します。

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