ポケモンGO問題は「2つ目の曲がり角」ぐらいに来たんじゃないかな?

日本配信開始からおよそ2カ月、当初の異常な盛り上がりから公共交通機関でのトラブル、関連死亡事故を含む予想されたバッドニュースを乗り越え、社会に受容されつつある感じのPokémon GOですが、この連休のニュースになった騒動は、ゲームとしてかなり難しい問題が根っこにあると感じます。

希少すぎるチャンスを前に、人はどこまでモラルを守れるのか?

連休に報道された騒動の原因は「ゴミは持ち帰ろう」とか「周りに迷惑をかけない」といった一般的なルール・マナーのレベルの問題だけではありません。

「今、この場でチャンスを逃したら次はどーなるかわからないというときに、何をどこまで犠牲にするか? チャンスを掴むためには反社会的な行為が必要だというとき、それを自分に許容するか?」というけっこうシビアなモラルの問題だったり、レアポケモンを求めて大勢が集まった中での群衆心理の問題だったりも絡んでいるんじゃないでしょうか。

そして、プレイヤーにそこまでの行動をさせるゲームのルールは適切なのか? というところも問われることになるかもしれません。

まず上野公園の不忍池・弁天堂付近の問題。

「ミニリュウ」「ハクリュー」が高頻度で出現するといわれる上野恩賜公園内・不忍池(しのばずのいけ)。これまでにも度々モラルに訴えかける掲示が行われてきましたが、ついに「当境内地(弁天堂)に於ける遊戯はやむを得ず全面禁止となりました」という掲示が貼り出されてしまいました。
ポケGO「ミニリュウの巣」不忍池、度重なるマナー違反でスマホゲーム遊戯全面禁止に – ねとらぼ

ミニリュウ、ハクリューの進化形であるカイリューは現状のPokémon GOで最強と言えるポケモンです。カイリューを手に入れるにはミニリュウのアメが125個必要で、けっこうレアなミニリュウやハクリューを32匹捕獲する(1匹捕獲あたりアメ3個+博士に送って1個。1匹は博士に送らず進化させる)必要があります。

不忍池周辺は面積のわりに出現数が多く、捕まえやすい地域ですが、それでも端から端まで駆けずり回って1時間に5匹も捕まえられれば上々といったところでしょう。ざっと6時間ぐらいは必要な計算になります。

つまり、カイリューのためにミニリュウを集めるのは(そこまで根を詰めるのはプレイスタイルとしてどうよと思う面もあるけど)けっこうな重労働です。しかもカイリューを何匹も欲しい=わかりやすい強さが欲しいという志向のユーザーならば、「マナー・ルールを守って」という声が届かないのも、想像に難くないというかなんというか。かつての世田谷公園の繰り返しというか。

もう1つはお台場ラプラスの騒動。

3連休の東京・お台場に突如出現した謎の大集団。ルール無視の行動に、警察も出動する事態となった。
「レアポケモン」求め、お台場大混乱 ルール無視に警察も出動(フジテレビ系(FNN)) – Yahoo!ニュース

ラプラスが車道(しかも橋の上?)に出現したために車道に人が殺到して大変なことになったようです。

ラプラスの出現しにくさはミニリュウの比ではなく、そりゃ集まるわという感想がまず…。しかし以前の記事で砂浜を走る人々の写真を紹介しましたが、車道は冗談にもならないですね。

モラルの問題とゲームデザインの問題の兼ね合い

この2つの問題は、Pokémon GOのカジュアルなプレイヤーよりも、何がどれくらいレアで、いかに目の前のチャンスが貴重かを理解しているプレイヤーほど起こしやすいでしょう。

そういう意味で、これまでのトラブルとはちょっと異質であり、Pokémon GOの問題として「2つ目の曲がり角」という感じなんじゃないかと考えています。

私自身「あとラッキーとラプラスが出ない」という状態で、もろもろが許せばお台場を走り回りたい気分でもあり、「ラプラスもうちょっと出やすくしてもいいんじゃない?」みたいなことも言いたいけどそれを自分が言っちゃ台無しな気がしたりもしているのですが。さておき。

こうした問題は、どういう方向で考えるべきなんでしょうか? 「プレイヤーのモラル」だけの問題とするのはあまり筋がよくないように思えるし、Nianticもさすがにそうは考えないでしょう。

ソーシャルゲームの射幸性云々の問題がそうだったように「ヒトとはこういうものだ」という認識のうえで、逸脱した行動を取らせないゲーム上のルール整備なりバランス調整なりが必要だと思います。こういうのはだんだんエスカレートして、やがては「当初の目的に関係なく走りまわるのが愉快」というクラスターが産まれたりもするものですし。

一方で、プレイヤーのモラルの問題も当然あります。ただ、超レアな獲物が出て大勢の人々が走り出したら、私だって走るだろうなというのが正直なところです。しばらくお台場は行けないな。

問題の原因は、端的に行ってしまえば群集心理を起こしてしまうことではないでしょうか。自分がその群衆の1人とならないためには、そこに近づかないでおくしかないというのが現時点で考えつく最善の対策です。

お台場に行かない代わりに「ふかそうち」に課金しまくって、10kmタマゴから孵るのを祈るかなあ。冷静にお台場への交通費を計算すると、それもアリかという感じでもあるのですが…。まあ実際には、いつか偶然出会いが訪れることを楽しみに、適当にやるでしょう。

このサイトの管理人

小林 祐一郎@heartlogic
息子と一緒に始めた「ブラック2・ホワイト2」で初めてポケモンに触れる。対戦を少々嗜み、好きなポケモンはコジョンド。つらい思い出の多い技は「とびひざげり」。休日はポケモンセンター周辺によく出没します。

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