ロジェ・カイヨワ「遊びと人間」。「これを読むと世の中がわかる」も大げさではない一冊

ゲームフリークの増田さんのブログで紹介されていたのを見て、ちょうどゲームについて考える材料がほしいと思っていたんだ! と購入しました。

ものを作る人に
必ず読んで欲しい!
(中略)
これを読むと
世の中が分かります
増田順一 公式ブログ – クリエイター必読書 – Powered by LINE

20171002-03

しかし半分ぐらい読んだところで積みっぱなしにしていたところ、今度は横須賀のリアルワールドゲームの講演会で白井先生が引用されていて、慌てて最後まで読みました。

フランスの社会学者・文芸批評家であるロジェ・カイヨワの著書「遊びと人間」を参照し、遊びの分類を解説。Pokémon GOでいえばARによるポケモンの表示は「ミミクリ」(模擬・模倣の遊び)、ボール投げは「アレア」(運の遊び)、ジムバトルは「アゴン」(競い合う遊び)と分類します。
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「文化」は「遊び」の中で始まった

本書で述べていることはわりとシンプルですが、「遊びを出発点とする社会学」という目の付け所が多くの人にとって非常に意外であるのと、いろいろと話が長いことから、いささか読んでいて疲れます。巻末に訳者による丁寧な解説があるので(あとで気付いた)、こちらを先に読んでおくと理解が早いでしょう。

本書の軸になっているのが、白井先生も引用している遊びの4分類。ミミクリ(模擬)、アレア(運・偶然)、アゴン(競争)にインリンクス(眩暈)を加えたもので、確かに幼児の遊びから複雑なゲームまで、すべての「遊び」はこの4つに分類できそうです。

そして、カイヨワは「文化は遊びの中で始まった」と(訳者解説の言葉を借りれば)いう認識から話を展開していきます。

これは「飢えをしのぐ、外敵から身を守るといった生きるために必要な最低限の営みの上に築かれたものが『文化』だとするなら、それらはすべて『遊び』と呼べる行為を出発点とするものだと考えられる。では人はどのように『遊ぶ』のかを考えていこうじゃないか」という話と理解しました。

私たちにとっての「遊び」、楽しみ、エンターテインメントとはどのようなものかを知り、そこから作られていった文化や社会の仕組みの構造を見通していけば、確かに増田さんの「これを読むと世の中が分かります」という言い方も、別に大げさではないと思えます。

ところで、このような記事もありました。過去のインタビューなどでも増田さんはたびたび「遊びと人間」を紹介してらっしゃるそうです。「ゲーム業界で働くための共通言語」は、すごい殺し文句だ!

そういう意味では、ゲーム業界で働きたい人なら、ロジェ・カイヨワの『遊びと人間』とホイジンガの『ホモ・ルーデンス』は読んでおいたほうがいいと思います。共通言語を持てるので、「ここ、”偶然”の遊びを足したいから、ルーレット入れようよ」みたいに議論のときに使えますしね。
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このサイトの管理人

小林 祐一郎@heartlogic
息子と一緒に始めた「ブラック2・ホワイト2」で初めてポケモンに触れる。対戦を少々嗜み、好きなポケモンはコジョンド。つらい思い出の多い技は「とびひざげり」。休日はポケモンセンター周辺によく出没します。

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